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音楽・映画などカルチャー全般について書きます

Arlo Parks 「Collapsed in Sunbeams」

Collapsed in Sunbeams | Arlo Parks

前回のPuma Blue に引き続きこちらもロンドンから、Arlo Parksのデビューアルバム。

 

2020年にリリースしたシングルがどれも珠玉の出来栄えで、アルバムを待望されていましたが、今作はこれまでのシングルに近年新たにレコーディングされた数曲を加えた集大成的なアルバムになっているようです。

 

ループを多用したHIphop的なトラックの上に、抑制の効いた、けれどもほんのりと甘いボーカルが載る楽曲達はどこか懐かしさを感じさせます。

 

また、Disco風のリズム・カッティングと浮遊感のあるボーカルが絡む "Too good"や"Just Go "、耳馴染みの良いピアノのコード循環が印象的な”Hope”などは、これまでの作品ではあまり感じられなかったオープンなキャッチーさがあります。

 

一方で、そこで歌われる詞は、彼女や彼女の周囲の人が感じている痛みや悲しみを写し取ったような内容です。とはいっても、それらと対峙することの必要性を説いたりり、主張を声高に叫ぶようなスタンスではなく、あくまで”そこにあるもの”として受け入れようとするものです。

現在20歳の彼女の目がこの世界をどのように見ているのか、そしてそれを伝えるために彼女が選ぶ言葉、その節々に静かな感動と共感を覚えます。

 

Puma Blue「In Praise Of Shadows」

Black Country, New Road、Shame、Arlo Parksなど近年じわじわと盛り上がりを見せていた UK Indie 界隈のミュージシャンのアルバムのリリースが続き、嬉しい限りの今日このごろです。

 

その中でも最も楽しみにしていた Puma Blue の Full Albumがついにリリースされました。

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これまでのシングル・EPと比較すると、さすがに作品として作り込まれていて、特にR&B的なビート感が前に出てきた印象です。

かといって、もともとの魅力に感じていた独特のコード感、アンビエンスもより洗練された形で織り込まれており、より整理された音像になっています。

 

タイトルの”In Praise Of Shadows”は谷崎潤一郎の名著「陰翳礼讃」の英名とのこと。腑に落ちる方が多いのではないでしょうか。

 

 

彼の作風については、本人も影響を公言している通り Jeff Backley, Frank Sinatraが引き合いに出される多く、これに異論を挟む余地はありません。 

それに加えて、私の頭に思い浮かぶのは Chet Baker です。

特に彼の晩年の作品における音数を絞った演奏と掠れた歌声に近しいものを感じます。

 

また、本作をリリースするにあたってコメントにおいても以下のようなことを述べてます。

"the painful things you have to heal from or accept, that bring you through to a better place"

"It's about finding light in darkness and realizing that it's what got me here today." 

("受け入れなければならない痛みこそが、より良い場所へと導いてくれる。"

"それは暗闇の中で光を見つけ出すようなこと、そしてそうすることが自分をここまで導いてくれたのだと悟ること。")

このコメントから分かるような本作のバックグラウンドには、晩年のChet Baker作品における寂寥感に通じるものがあるような気がします。

 

 

 

PENNY GOODWIN 「What's Goin On / Lady Day and John Coltrane」

 

ミルウォーキー出身のジャズシンガーPenny Goodwinが残した名盤「Portrait Of A Gemini」に収録されているカバー曲2曲がシングルカットされて再発されました。

 

 

 

ソウル好き界隈ではおなじみの Penny Goodwin ですが、めでたく7inch 再発ということで購入です。

 

A面はMarvin Gaye "What's Going On" のカバー。

テンポの早い4ビートに、ボーカルとユニゾンするフルートが耳を引くInterludeから収録されているのが嬉しいですね、そこからブレイクを挟んでAメロに入る構成は癖になります。原曲とはちょっとコード感も違っていて、よりラフでセッション寄りのアレンジです。

 

B面はGIL SCOTT HERON ”LADY DAY & JOHN COLTRANE" のカバー。

こちらはアレンジとしては 原曲に近いのですが、よりキャッチーな仕上がりに聞こえます。原曲の軽快ながらもナイーブな響きのある独特な雰囲気は、やはりGil scott heron のボーカルとBrian Jacksonのエレピがなせるものなんでしょうか。

 

 PENNY GOODWIN では 「Portrait Of A Gemini」よりも、未発表のライヴテイクを収めた「LIVE」の方が聞く機会は多いです。録音状態もよいとは言えないのですが、程よく肩の力が抜けていて、全編通して心地よく聴くことができます。

Live : Penny Goodwin | HMV&BOOKS online - PCD-23533

 

 

 

 

Pure X 「Pure X」

 

テキサス州オースティンのバンド Pure X の6年ぶりのアルバム。

 


Pure X - Middle America (Official Video)

 

大好きなバンドの久々の新譜ということでリリース直後からよく聴いてたわけですが、ようやくLPを購入できたので取り上げてみます。

 

1曲目の”Middle America” の粗く歪んだギターとリバーブの効いた気怠げなボーカル、やはりジザメリあたりが引き合いに出されるのはわかります。この曲は先行シングルとなっていたこともあり、アルバムリリースまでの間にひたすら聴きました。同じく先行シングルだった”Fantasy”もそうですが、これまでの作品よりもギターがノイジーな楽曲がアルバムの中で際立っている印象です。

 

とはいえ、”Free my heart” "Grieving Song" といった ギターリフが印象的なアシッド感の漂う曲も相変わらず良く、非常にバランスのよいアルバムです。

4作目にしてセルフタイトル作、前作から制作期間も長く取られており集大成的な位置づけの作品なのだろうと思います。 (まあ正直その間活動していたのかどうかさえ定かではないですが)

 

今作のリリースはブルックリンのインディーレーベル〈Fire talk〉からですが、Pure X (Pure Ecstasy)といえば〈Acéphale〉。なんと今作のリリースに合わせて〈Acéphale〉からリリースされた初期二作も〈Fire talk〉からリイシューされました。ここからコンスタントに活動していってくれたら嬉しいですね。

※ この人達は Pure Ecstasy → Pure Xに改名しています。デビュー時に Pure Ecstasy というバンドが別にいたから、という嘘みたいな理由(そんな名前つけるバンドがこの世に2つもあるのか)を記事で読んだ記憶がなくもないですが、なんにせよ大人の事情でしょう。

 

最後に大好きなライブ映像を。このなりで Pure Ecstasy とか言われても全く笑えませんが。


Pure X Live at Converse Rubber Tracks - Brooklyn Bound (Episode 20 - Part 2)

 

About this blog

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簡単なプロフィールです。

・20代 男性 会社員

・関東在住

・バンド活動とレコード屋でのバイトに大半を費やした学生時代を経て、今は音楽とは全く関係ない仕事に就いています。

 

これまで非公開の日記のような形で記録を続けてきていましたが、読まれることを前提とした文章として書いてみようと思い立ちました。(なんの脈略もなく立ち上げたブログですので、しばらくは誰にも読まれることはないわけですが)

まずは続けることを目標として、形式・ボリュームにはこだわらず、その時聴いている音楽など思い立ったものを書いていきます。

  

よろしくお願いします。