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Arlo Parks 「Collapsed in Sunbeams」

Collapsed in Sunbeams | Arlo Parks

前回のPuma Blue に引き続きこちらもロンドンから、Arlo Parksのデビューアルバム。

 

2020年にリリースしたシングルがどれも珠玉の出来栄えで、アルバムを待望されていましたが、今作はこれまでのシングルに近年新たにレコーディングされた数曲を加えた集大成的なアルバムになっているようです。

 

ループを多用したHIphop的なトラックの上に、抑制の効いた、けれどもほんのりと甘いボーカルが載る楽曲達はどこか懐かしさを感じさせます。

 

また、Disco風のリズム・カッティングと浮遊感のあるボーカルが絡む "Too good"や"Just Go "、耳馴染みの良いピアノのコード循環が印象的な”Hope”などは、これまでの作品ではあまり感じられなかったオープンなキャッチーさがあります。

 

一方で、そこで歌われる詞は、彼女や彼女の周囲の人が感じている痛みや悲しみを写し取ったような内容です。とはいっても、それらと対峙することの必要性を説いたりり、主張を声高に叫ぶようなスタンスではなく、あくまで”そこにあるもの”として受け入れようとするものです。

現在20歳の彼女の目がこの世界をどのように見ているのか、そしてそれを伝えるために彼女が選ぶ言葉、その節々に静かな感動と共感を覚えます。